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卒業制作(平成29年度)

木材工芸コース 金属工芸コース インテリアデザイン
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木材工芸コース
MEMORY
 私は卒業制作で「自分らしさ」と「そのモノらしさ」を表現することを課題に取り組んだ。自分を見つめ直した際に自分は「子供っぽい」と感じたこと、また「らしさ」にこだわり、見応えのある作品に仕上げるため「つみき」をモチーフにした。そして、あえて不規則に積み上げた形にすることで子供が遊んだかのように見せる工夫を施した。
 
大切な人と並んで座れるベンチ
 私の祖父母に使ってもらうことを考え、いつまでも仲の良い円満な家庭であってほしいと願い「大切な人や家族との憩いの空間を生む椅子」を制作した。祖父母の体格に合わせて設計し、膝の悪い祖母のために「身体への負担を軽減する」構造にした。彫刻には「夫婦円満」を意味する夫婦鶴、「良き母」という花言葉をもつ梅の花をデザインした。
 
Fairy tale
 この椅子はレトロな空間を作り出すというテーマのもと、本の形をモチーフに制作した。制作するにあたって「本らしさ」というのを最も意識した。表紙は、本物の本と同じように、印刷を施すためにシルクスクリーンを用いている。他にも、本が積み重なっている大きい方の椅子は座面の表紙が蓋の様に開く仕組みになっている。是非、座るだけでなく触って楽しんで頂きたい。
 
隙間のあるスツール
 「点と線でスツールを構成する」をテーマに制作した。上から見た時に棒が点として、そして板が線に見えるように、棒と板の間に隙間をあけて組んだ。見え本来は面であるはずの座を、点や線の集合で構成したらおもしろいと思い、当たり前によくある形ではない、今までに無い新しいデザインを目指し、また、丈夫で安定感のある、座り心地の良い椅子になるようにした。
 
森たち
 「自分の世界観で森を表現する」というテーマのもと、スツール・背もたれのある椅子・ベンチの3種類を制作した。森から連想して思い浮かんだ物の中で、「木」と「くま」と「どんぐり」を選び、それぞれ可愛らしいキャラクターにすることで、私の考える優しくあたたかい森を表現した。自然な森の雰囲気を出すために、脚は透明なオイル塗装のみにしている。
金属工芸コース
郷〜ふるさと〜
 私は、授業で行った銀線細工に楽しさを感じ、秋田県の名産品をモチーフにした銀線細工のブローチを制作した。それぞれのモチーフらしさを表現するために様々な技法を用い、工夫した。4点セットの作品なので、銀線の形は全て丸の形に統一し、セット感を出した。特に苦労したなまはげのブローチはぜひじっくり見てもらいたい。
 
Creature
 私は2年生の時に鍛金の器と花の指輪を制作した。その技法を活かしたいと考え、「鍛金と花のオブジェ」を制作した。パーツはすべてネジで取り付けている。想像上の生き物とアルミ、真鍮、銀、赤く加工した銅の花を組み合わせることで、メルヘンチックで可愛らしさを表現した。また、体を硫化で黒くすることで、様々な金属の色の華やかさをより強調した。
 
露往霜来
 私は、今まで授業や部活動で植物をモチーフにした作品を多く作ってきた。そのため、卒業制作では今までの経験を生かしつつ、新しいことにも挑戦しようと思い、蜘蛛や蝶などの虫をメインとした作品にした。全体は蜘蛛の巣と、そこに引っ掛かった蝶や葉がついたネックレスとなっている。上についている葉や蝶は、付け外しができ、単体でブローチとしても使用できる。
 
Geometric
 私は「幾何形体を用いたヘッドドレス」をテーマに、シンプルなデザインで自分らしさを表現した。ヘッドドレスは髪の長さに関係なく使えるよう、カチューシャの形にした。カチューシャは、横から見たら三角になるよう構成し、前面と後面には丸と三角の銀のパーツ、四角の真鍮パーツを入れた。石は全体のアクセントになるよう配置した。
 
あなたに感謝を
 銀線細工と鍛金技法を使い、「銀線細工のある花器」を制作した。花が好きな母へ、自由に花を生けて欲しいという思いと、いつもは言えない感謝の気持ちを素直に伝えたいという思いから、花器にした。銀線細工の表情を生かすために、花器の本体である花瓶は黒味銅という銅を用いて黒く色付けをし、銀線細工とのコントラストが強く出るようにしている。 
 
昼夜の森
 昼夜どちらにも魅力のある森をオブジェにしようと考え、「森のオブジェ」をテーマに制作した。木に透かし模様を入れ、外側を緑青で着色することにより昼の森であることを表現している。また夜の森は、中心に設置した電球の光が透かし模様からもれるようになっていて、光と影の世界を楽しめるようになっている。
 
Feel So Spring
 春という季節は、過ぎ去るのが特に早いなと思った。だから、春をもっと感じたいと思い、春を代表する桜の花や鶯を壁装飾にし、いつでも身近に見られるようにした。木本体は荒らし模様を付け、小鳥はからだ全体に羽の模様を付けて、より立体感を出した。花びらは、花びらの表面の質感をつや消しで表現することで、花らしくなるように制作した。
 
Snail of light
 巻き貝の丸みと螺旋に魅力を感じ、それを神秘的に表現するため、巻き貝の照明器具を制作した。巻き貝は打ち出しという技法を使って2枚の銅板で半分ずつ成形し、溶接した。表面には、銀の斑点を施したり、模様をくり抜いたりして、貝らしさを表現した。また、外側には緑青、内側には金箔を貼り付けることでコントラストをつけた。
 
Birthday Rabbits
 私の姉弟は4人姉弟で、それぞれ生まれた季節が違っている。そこで「姉弟の生まれた季節」をテーマにし、小物入れにもなるオブジェを銅を鍛金して制作した。キリスト教で子どもを表す卵と誕生を表すウサギを組み合わせた形にしており、季節感が出るように、模様や色の配色を工夫した。
インテリアデザインコース
和の和む2世帯住居
 私は介護福祉の仕事に興味があり、これまで様々な介護施設でボランチィア活動を経験してきた。年々高齢化が進む社会では、施設や介護サービスの充実はとても重要なことだが、家族と暮らす住居の工夫もとても大切だ。そこで、お年寄りの生活スタイルや身体機能の変化に配慮した、お年寄りの方が住みやすく、また介護を行う家族の負担が少ない住居をデザインした。
 
家族と海を感じる家
 子どもの成長とともに家族一人ひとりの生活リズムは多様になり、家族全員が揃ってご飯を食べたり、余暇を楽しんだりすることが難しくなってくる。実際に私の家族もそれぞれ生活スタイルが違うため、以前よりも一緒に過ごすことが少なくなってきた。そこで、生活スタイルが変わっても関わりがもてる住宅を考えた。
 
空気と暮らす家
 私は、自然換気で空気を入れ替えられる住宅を目指し制作した。生活環境や食べ物の変化と共にアレルギーを発症する子どもが増えている。私自身もアレルギーを持っているため、自分の体験と今学んでいることを活かしてこの問題に関わることができないかと考えた。窓を大きく取り中庭を複数設け、アレルギーの原因になるものを換気で取り除ける住宅をデザインした。
 
鳥海山とともに・・・
 地方では農業従事者の高齢化や人口減少が何年も前から問題になっており、私が暮らす由利本荘市も同じ問題を抱えている。そこで、どのような対策が行われているのか調べてみると、移住定住支援や就農支援などが行われていることを知った。卒業制作では、由利本荘市の魅力をたくさんの人に知ってもらうきっかけになればと自然豊かな環境を楽しむことができる住宅を考えた。
 
Hobby share house
 私は家を「住む場所」「帰る場所」だけでなく、「生活を豊かにしてより楽しめる場所」にしたいと考えた。また、以前からシェアハウスに興味があり調べてみると、個性的なテーマに沿ったものが増えており、同じ趣味を持つ人達が集まって時間を共有していることを知った。そこで植物を育てることを趣味とした人達が交流できる住宅をデザインした。
 
さんかくおにぎりのいえ
 近年、共働き世帯が1,000万を超え、さらに核家族化の進行により留守待機児童が増加し続けている。また留守待機児童の増加による子供の“こしょく”問題も深刻化している。そこで、実際に行われている「子ども食堂」と「エディブルスクールヤード」のシステムを参考に、子供たちの食支援・居場所支援ができる住宅を考えた。
ビジュアルデザインコース
ことばの代わり
 「伝」をコミュニケーションと捉えてポスターを制作した。「コミュ障」という言葉から現代人が言葉を使ったコミュニケーションに苦手意識を持っていると感じたため、言葉を使わないスキンシップを提案する。スキンシップの良さを分かりやすく伝えるために題材には動物を選んだ。また、キャッチコピーには( )を使用し、心の中で思っていることを表現した。
 
残したい伝統
 小規模の祭りは存続の問題がつきまとう。そのため、若者に向けて「作踊り」にスポットを当てて残すことの大切さを伝える提案をした。楽しそうだと思ってもらえるように、文字の色は彩度の高いものを使用し、背景は夜を表す黒でお祭りがこれから始まるようなワクワクする配色にした。
 
ご近所コミュニティ
 私は「伝」から、「コミュニケーション」という言葉を連想した。現代社会では、近所の人とのコミュニケーションが少なくなっているという問題があると考えた。そこで、「おかえり」「ただいま」というあたたかい会話をイメージさせるイラストを描き、近所の人と子どもが当たり前のようにコミュニケーションをするきっかけとなるポスターを制作した。
 
動きのある言葉
 手話を使う耳の不自由な人がコミュニケーションが上手く取れず、つらい思いをしていることを知り、社会の中で手話についての理解が深められるようなポスターを制作した。コミュニケーションのきっかけは「あいさつ」だと思い、「あいさつ」という意味を持つ手話を取り入れたデザインにした。
 
アンバランス
 テーマの「伝」から、会話は人にとって一番身近な「伝」だと思い、人と人のコミュニケーションについて考えた。コミュニケーションをとる上で、自分の言葉が相手を傷つけてしまうことは自分だけの問題ではないと考え、本音と建前のバランスについて考えるきっかけとなるポスターを制作した。「目は口ほどにものをいう」ということわざを元にキャッチコピーを考えた。
 
最後にワクワクしたのいつだっけ
 テーマの「伝」からコミュニケーションを連想し、昔遊びでそれが生まれると考えた。「昔遊びで遊んでみよう」と呼びかけることを目的にシニア世代と小中学生に向けて制作した。昭和のガキ大将を連想させる衣類の配置や、数種類のおもちゃを置くことで楽しい雰囲気を演出した。キャッチコピーは疑問形にすることで、昔の記憶に訴えかけるようにしている。
 
家族との時間
 情報機器使用の低年齢化により、親子の交流が減ってきているのではないかと感じた。そこで、どの世代にも家族と一緒にいる意味を見つめ直してもらえるようなポスターを制作しようと思った。誰もが持つ子どもの頃の記憶を思い出させたいと考え、自分の幼少期の写真を使用した。また複数枚を1枚にまとめたSNSのような構成で、若者にも身近なデザインを心掛けた。
 
土崎空襲を語り継ぐ
 「伝」というテーマからこれから先伝えるべきことを考え、戦争を取り上げた。私自分自身が、小学校や中学校の時に教わった土崎空襲について思い出し、秋田で終戦の前日に起きた空襲について未来の子どもたちに伝えようと制作した。ポスターに説得力を持たせるために、調べた資料の中から実際に空襲を経験した人の辛く、苦しい言葉を抜き出し、爆煙に見えるよう表現した。
 
きっかけさえ、つかめれば。
 テーマの「伝」から、感謝の気持ちを「伝える」ポスターを考えた。東京オリンピックの開催に向け、日本人らしい感謝の伝え方である「おもてなし」を取り上げた。キャッチコピーや互いに糸を持つイラストで、若い世代の人に「お互いに思いやりの心を持つことの美しさ」を感じてもらえるようなデザインにした。
 
伝えるべきは、正しい日本語
 「言葉の伝わり方」に注目し、慣用句やことわざを誤って使う人が増えている、ということを知った。キャッチコピーにも違和感のある日本語を使い、読む人に考えてほしいと思った。今以上に誤用が広まると本来の意味は薄れ、誤りの方が定着してしまう。日本語という一つの文化を壊してはいけない、という思いで制作した。
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